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人とAIのインターフェースとしてのUI

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最近AIを使って、個人運用しているtasukariというサイトでコンシェルジュを作ってみたりしている。
例えば、体調や気分、食材などからレシピを提案してくれるフードコンシェルジュや希望の書籍を探してくれるブックコンシェルジュ、企業名から企業情報を探してきてくれる企業情報コンシェルジュなどである。

フードコンシェルジュ

フードコンシェルジュ

ブックコンシェルジュ

ブックコンシェルジュ

企業情報コンシェルジュ

企業情報コンシェルジュ

特定の目的のために生成AIを利用するには、プロンプトに回答の前提となる情報を含める必要がある。
また、具体的で詳細な情報がプロンプトに入ることで、より要求にあった回答を得られる。
丁寧に言語化をすることで期待する回答を得られやすいが、言語化することのハードルが上がることは必然である。

生成AIを使った機能をユーザー向けに提供しているサービスは多く存在すると思うが、UIの表現によってユーザーが言語化するコストを幾分か吸収できるのではないかと考えている。
例えば、フードコンシェルジュの場合は料理のジャンルや使いたい食材などを選択式にすることで、必要な情報をユーザーが文章で言語化するのではなくシステムが肩代わりするようにしている。ユーザーは頭の中にある希望と近い選択肢をクリック or タップするだけなので文章に書き起こすコストが減る。

AIが搭載されたサービスは多く出ているが、プロンプトはユーザー頼みになっているものをたまに見かける。
結局エネルギーを使ってプロンプトを入力する必要があるなら、わざわざサービスに搭載されているAIを使うメリットはなく、むしろChatGPTやGeminiなど個人で使い慣れたAIを使う方が良い。
AIを使った機能をユーザーに提供するのであれば、ユーザーが目的を達成するための負荷を下げつつプロンプトの質を上げられるような設計をすべきである。
SaaSなどでユーザーに提供されているAI機能では、UIは人とAIの間に介在している。
そのため、UIはユーザー負荷を下げプロンプトの質を上げることができるインターフェースとなりえる。

ChatGPTがリリース後に類を見ないほど爆発的に広がったのは、AIを利用するためのチャットというインターフェースをユーザーへ提供したことが根本要因である。
それまでのAIはデータサイエンティストやエンジニアなどの専門家が使えるものであったが、チャットからAIを使えるようにしたことで誰でも簡単にAIが使えるようになった。
チャット自体何年も前から存在するインターフェースであるが、ユーザーがAIを使うための負荷を下げることに絶大な効果を発揮した。
AIは人に対して提供されるものであるため、AIの性能だけでなくどのように提供するかでユーザーへのインパクトも大きく変わってくると考えている。

アップルでiPodとiPhoneの開発チームを率いた伝説のエンジニア、トニー・ファデルは著書のBUILDでこのように記している。

「どれだけ多くの会社がかかわっていようと、最終的に事業の成否を決めるのは最終消費者だ。」

「誰のためのプロダクトか決して忘れてはならない。あなたの唯一無地の顧客は誰か、正しく選択しよう。」

AI時代もブレてはいけない考えである。
いつの時代もユーザーを第一に、正直にプロダクトを開発すべきだ。